「俺はどこまで未来を知る事が出来るのかな?」

佳伊が聞くと美野里は答えた。

「ここまでよ。あとは自力で頑張ってね」

佳伊は口を尖らせる。

「美野里はいつもそうだ。知ってるのに教えてくれない。沙耶にはああ言ったが自分の作った組織の末路くらい知りたいのに」

美野里は声を上げて笑った。

「佳伊、子供の貴方には教えてあったのに、忘れてたんでしょ?きっともう思い出さない」

佳伊は驚いた表情をした。

「…俺、他に聞いてた?」

「聞いてたわよ。でもね、忘れるのも決まってるから」

「俺が超能力の力加減が分からなくて、困ってた時も美野里は自力で頑張ってねって言ってた。」

佳伊は不服そうだ。

美野里はそう言われるのもわかっているように笑った。

美野里は過去にも未来にも行く。その能力は計り知れない。

ただ、知ってて知らないフリをしているのか、本当にまだ知らないのかが佳伊には分からなかった。