沙耶は気づいたように言った。

「佳伊様には未来を教えたんですか?」

美野里は微笑んだ。

「それも決まってることなの。佳伊がいなければ何も始まらない。管理人も隼も。私が生まれた2075年でも佳伊の存在は知られているのよ」

沙耶にはもう頭でわからずに思考の限界だった。


「あの…ちょっと頭を整理して出直します…」

そう言って部屋を出て行った。



佳伊は心配そうに言った。

「大丈夫かな?世界にかかわることなのに…」

美野里は微笑んだ。

「大丈夫よ」

「…うん」

佳伊は美野里の前では気を張っている必要が無いので素直に返事をした。