佳伊の部屋のドアをノックする。

「はい」

佳伊の返答を待って沙耶はドアを開けた。

部屋には佳伊と金髪の美少女がソファに座っていた。
見覚えの無い顔だ。管理人だろうか?

そんな事を思いつつ、佳伊に促され沙耶もソファに座る。

「沙耶、こちら美野里。美野里、今話した隼の代表をしてくれている沙耶だ」

「こんにちは」

美野里が微笑んだ。同姓でも引き込まれる美人だ。微笑んだら見入ってしまう。

「こんにちは…あの、それで用とは?」

沙耶が佳伊に聞く。佳伊は微笑んだ。

「美野里はね、古くからの友人なんだ」

古くから?しかし見た覚えはない。やっぱり管理人なんだろうか?

などと考えていると美野里が微笑んで言った。

「管理人ではないのよ」

沙耶は驚く。今口に出した?
佳伊は気にもしないで続ける。

「美野里はね、俺は5歳の時に友人になって3年過ごした。で、20年ぶりの再会なんだけど、美野里からしたら昨日なんだよ」

沙耶は今の言葉を頭で復唱したが理解が出来ない。

「はい?」

つい、素で答えてしまった。
その様子に佳伊は笑った。

「彼女はタイムトラベラーなんだ」

すでに沙耶の理解を超えている。管理人の能力は認めてはいるが解明されてないのでそっちの方面には詳しくなかった。

「生年月日はいつだっけ?」

「2075年よ」

美野里は当たり前のように答えた。