「ASPHODEL-5?」

佳伊が沙耶を見る。



「はい、今回の病状から言って現在のどの病気にも当てはまりませんでした。新種の病気と思います。」

「で、あ…アスフォデル-5と名づけたんだね」

書類に目を通しながら言った。

「ASPHODELは死の国に咲く花のことを言うそうです。」

「へぇ5は?」

「現段階で5段階の症状から」

「そうか。」

「はい。」

「これから世界的に増えると考えられます」

佳伊は顔をあげた。

「空気感染なのか?」

「いえ、突発性です」

「なのに、増えると?」

「予想だけで断言は出来ませんが」

書類を机に放って佳伊が沙耶を見た。

「そこまで沙耶がいうなら「隼」で重点的に調べてくれ」

「ありがとうございます」

沙耶はペコリと頭を下げ、出て行った。