今まで、何も逆らわずに淡々と仕事をしてきた。

寿命を迎える人間の魂を狩る。
それが私の仕事。

相手は必ずこう言う。


「あと少しだけ、待って…」


でも私は待ったことなんて、ない。
どんなに待っても必ず死は訪れるもの。
待つなんて、意味ない。



そんなある日、私は希と出会った。
中性的な顔立ちではあるけれど、強い目をしている、綺麗な少年。


「魂を迎えに来た。」


泣くかな、怒るかな。
彼の反応を待っていると、彼はこう言った。


「"待ってたよ"。」


私と希の、運命的な出会い。