黙ってコーヒーを半分飲んだところで、俺は思い切って口を聞いた。

「あのさ、大学行かないかもって言ってたの、おじさんのことが原因?」

「うん、まぁ……一番の理由はそうなんだけど」


藤原は手の中で転がしていた缶コーヒーのプルタブを開き、口をつけた。

「あたし、森本みたいに将来の夢とか目標なんかなくて。

とりあえず大学行って、ゆっくり考えればいいかなーって思ってたんだ」


「それが普通だろ?みんなそうじゃん」

「うん。三ヶ月前ならそれでよかったのかもしれない。

だけどこんな状況になってみて、あたし、無理して大学行く意味あるのかなって」


そこまで言うと、藤原は下を向いて黙り込んでしまった。