四階の教室の窓からゆるゆると落下した紙飛行機は、真下にあるイチョウの木の先端に直角に刺さった。


「あーあ、墜落しちゃった」

「あーあ、じゃねーよ。あの紙、来週提出の進路希望調査の紙だろ。何飛ばしてんだよ」


「ふふ」

「お前、笑ってごまかそうとしてるだろ。……あれで三年のクラス分け決めるから絶対出せって、田代言ってたのに。飛ばしてどーすんだよ」


「どうしよう?」

絶対どうしようとか思ってないだろ、って突っ込みたくなるような飄々とした表情で、藤原がつぶやいた。


俺はちょっとだけ田代に同情する。