「いやー......忘れって言うか.....」


ちょっとづつ後ずさりして、ドアの方向を見る。


よし。逃げよう。


ガシッ。



「楓ちゃんどこ行くの??」


手首を掴まれて振りかえると.....悪魔の笑顔がありました。



「はい。おしおき。」


その言葉と同時にグイッと引っ張られてあたしが王子の膝の上に乗る体勢に。



「ちょっと待って。実は宿題やってきたりしてたり.....」




実は今日の朝にクラスの子がこの王子様の話をしてて.....あたしは眠たくて机に突っ伏してたんだけど、嫌でも聞こえてくる声ってあるじゃない??それで半分寝て半分起きてたので......


って話をしたら....王子はニコニコと笑顔になった。



「で、俺の名前は.....??」



「えっと...あ、....山梨。」



「いやいや.....下の名前。」



.......なんだっけ??