「俺の名前は.......ま、友達に聞けばわかるだろ。これ宿題な。」
「.........」
「宿題忘れもおしおきだから。」
なに言ってんだこいつ。
それに.....
「あたし、友達いないから。ほしいと思ったことないし。」
「なんで。」
王子は真剣な顔であたしを見る。
「それは........って、なんでアンタに話さなきゃいけないの!?」
そうだ。なに話そうとしてんだあたし!!
「それにアンタにもう関わることもないし。」
王子の力が緩んだと同時にスルリと抜け出してソファーにある鞄を取ってドアまで逃げるように向かう。
「さよーなら。」
ドアをぴしゃりと閉めて図書室をあとにした。
「.......冷てー目。まるで人を信じてない目だな....。」
王子は苦く笑った。