カッチーン。



「ちょっと王子サマ??早く返しなさいよ。」



イライラが募る。



「王子王子って俺の名前王子じゃねーし。」


そう言うと、王子は本棚に近づき何やら本を眺めている。



「みんな王子って呼ぶじゃん。アンタの名前知らないし。」



すると王子はこっちを向いて心底驚いた顔をした。



その隙を狙って生徒手帳に手を伸ばし取り返す。



「まだまだ甘いわね。王子サマ♪...きゃぁ!!」



そう言ってやると突然グイッと腕を引かれ、本棚と王子との間に挟まれる体勢になった。


「ちょっと!!どきなさいよ!!」


何考えてんの!?この人!!


足掻いてみるけど力じゃ勝てないみたいで。