「よかった」


王子サマはにっこりと笑った。


そして倒れるまわりの女子たち。


.....打ち合わせでもしてんじゃないの??



あたしはこの王子サマとやらがうさんくさくてたまらない。


特にこの笑顔。


「......偽物。」


あたしはボソッと言った。



「え....??」


王子サマはもう一度聞き返す。



「だから、その笑顔、偽物でしょ??やめたら??」


あたしの言葉に呆然とする王子サマとザワザワとする女子。



「それから、通行のじゃ・ま!!」



そう言ってあたしは靴を履き替えて門を出た。



「あ......」


王子は楓の生徒手帳が落ちていることに気付いた。



「へぇ......滝沢楓....」


王子はふっと笑った。