ぼんやりとベッドの上でそんなことを考えていたら、誰かに呼ばれた。
「誰だ?」
「テラ」
 てら……ナオのペット。
「ナオ?」
 思わず周りを見渡す。見慣れた家具意外変わったことはなにもない。部屋にはオレ意外誰もいない。
「今日、テラ、だけ」
 片言の日本語でペットはそう言った。毛布の端がもぞもぞと動いた。どこからどうやって忍び込んだか知らないけど、毛布の下にペットはいるらしい。
 オレは毛布をめくってペットを目の前へと連れてきた。
「ナオは、今どうしているんだ?」
「知らない。今日、大事な話、ある」
 大事な話? それはやっぱりナオに関することだろう。それ以外には考えられなかった。
 オレはベッドの上で姿勢を正した。背筋を伸ばすと骨がなった。
「大事な話って、何だ?」