馬鹿みたい。
好きな人の彼女に、
恋の相談をしてたなんて。
「綾音さん……だったんだ」
何だか自分が惨めだった。
こんなにきれいな綾音さんに、
彼氏がいないはずないもんね。
綾音さんに、
勝てるわけない……。
「は、遥花?!
泣かせるつもりはなかったんだけど……」
泣いてるんだ。
私、泣いてるんだ今。
「……結婚するんでしょ?」
先に言ってやった。
向こうから言われたら、余計悔しい。
案の定、二人は頷いた。
「幸せにね……」
私の大好きな二人なら、
きっと幸せになるよね。
晃一と綾音さんなら、
幸せになれるよ――?
――春休み。
招待されて、晃一と綾音さんの結婚式に出席した。
綾音さんはとびきりきれいで。
あんなきれいな綾音さんは、見たことなかった。
二人が幸せそうに笑うから。
つられて私も笑えてた。
綾音さんが羨ましい。
綾音さんになりたかった。
晃一と綾音さんは、
心配しなくても幸せになりそう。
二人してあんなにデレデレして。
ぶん殴ってやりたいくらい。
でも、一回だけ、
晃一と目が合った。
晃一は間違いなく、
私を見てくれてたから。
もういいんだ。
今度はちゃんと私だけを見てくれる人を見つけるんだから。
晃一のことなんて忘れてやるんだから。
でも、きっと忘れられないんだろうな。
晃一の笑顔だけは。
さよなら、お幸せに。
――目のあったその瞬間、
晃一は私に向かって微笑んだ。
fin.
最後まで読んでくださった読者の皆さま、本当にありがとうございました。
まだ、読み終えていない方は、もう少しお付き合い願います。
本当は短編ではなく中編の予定でした。
あわよくば長編……くらいの。
でも、正直私自身にこういう体験がなく、うまく描けていませんでした。
今回は自分の中では点数低めです。
うまく描けていないことを気にしながら、長い物語を綴っていくのは難しく、結果的に短編としてしまいました。
まだまだだな、と感じた作品でありました。
今後この体験も生かしながら、もっと完成度の高い小説をお届けできるようにしたいと思っています。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。
2011年12月18日
Hotaru*