*12*

寒空の下
道路挟んで
目の前に
君の姿が見える

君は
かじかんだ手の平に
白い息を吹き掛け
どうか淋しそうな
表情を浮かべていたよね

迎えを待つ君を
私はずっと
気づかれないように
見つめていたんだ

君の迎えが来た君に
私は必ず「バイバイ」を
言うって決めていたのに
他の誰かが君に
「バイバイ」って
いっちゃったから
私はただ
君の乗った車を
愛おしむ瞳で
見送ることしか
できなかった

繋がることのない
この想いは
雪のように
はかなく消えてゆく

いっそのこと
私のこの想いも
雪のように
溶けてなくなって
しまったらいいのに

君を好きでいることが
辛い...
片想いでもいいなんて
嘘...
君に私を知って欲しい
私の方を向いて
微笑みかけてほしい

君を好きになれば
なるほど
貪欲になってしまうの

ダメだって
知ってるのに...