先生と教官室2〜新しい道〜






「かっちゃん、もっと素直になりなさいね。」






両手が塞がっている俺の代わりに、後ろから歩いてきた志帆さんが伊緒の涙を拭いてくれた。





「ずっと一緒にいたいんでしょ?だったら、大人ぶるのはやめなさい。」






「志帆さん…。」






何も言っていないのに、志帆さんは全てを理解してくれている。






もちろん、勇二さんも。





二人は優しく笑いながら大切な事を沢山教えてくれる。







教師をやっている俺だけど、二人に教わる事はまだまだありそうだ。







「また近いうちにいらっしゃい。そうね、今度は二人揃ってよ。」







「はい。約束します…。」






笑いかけてくれる志帆さんに軽く会釈し、勇二さんが開けてくれている扉から外へと出る。








「じゃあ失礼します。」






「あぁ、また。」