「茉莉果……やはり静養が必要だ」 お父様は私と視線すら合わせずに「車の用意を、すぐに」と陽子さんに伝えた。 「静養なんて必要ないわよ!」 だけど、私の声なんて誰も聞いてくれなかった。 屋敷の中に冷たい空気が流れていた。 お母様もカップを置くと俯いてしまった。 ────ここは、私の家じゃない。