そして……我が家にやって来た、ひげ面三兄弟の写真が、テレビ画面に映し出された!
「柏原! ひげ面よっ」
「ええ、お嬢様。出来れば二度と見たくない顔です……余所見をなさらないでください。チョコが飛び散りますので」
驚いたわ……
テレビに出る有名人だったなんて……
「失礼いたします。屋敷内の捜査は終わりました。ご協力ありがとうございます」
津田さんが、申し訳なさそうにダイニングルームの扉から姿を現した。
「津田さん! マシュマロいかがです?」
私は、ピックにマシュマロを串刺しにして津田さんに手渡す。
「あっ……いえ、私は職務中ですので」
素敵なフェイスが、残念そうにマシュマロを置く。
「そう……チョコフォンデュは一人より二人の方が楽しいのに……」
ニコリと微笑むと津田さんは安心したようなため息をもらす。
人の良さそうな津田さん。
柏原とは違って性格が良い。
ヘルメットを外した、爽やかなスポーツマンのような短髪も素敵。
サラッとした黒髪のインテリ系の柏原と並ぶと、対象的でお互いの美しさを誇張し合うのだ。
「でもダメよ……茉莉果しっかりしなさい」
ホワイトチョコがたっぷりとかかったマシュマロを味わいながら首を振る。
美形執事と、イケメンテロリストに求愛されて三角関係なんて
極上の贅沢ね。
二人は、首を捻りながら私を見つめるのだ。