だけど……
………………かっ……柏原
恐いわよ?
なぜか微笑みから殺気のようなオーラが柏原を取り巻いている。
「買い物に行かれると聞いておりましたが、特に予定はございませんよ……茉莉果お嬢様」
「あはっ……はは、そう?」
手に汗握る展開ね。
殺気立つ微笑の柏原に笑いかけてみるものの、あまりの迫力に顔がひきつってしまう。
何をそんなに怒っているのかしら?
一般人だったら、目が合っただけで気絶するわよ?
「もしも……し、竜司くん?」
『どうだった? 茉莉果ちゃんの都合に合わせるよ』
「うん……大丈夫だったけど……」
ゾワッと鳥肌が立つほどの、美しい執事の微笑み。
自分がこれからどうやって生き永らえたらいいのか……路頭に迷う孤児になったみたい。