「まぁ、何話してたの？すごく楽しそうね。」
　少し皮肉を込めたように麻由美は二人の会話に割って入った。
　「木村さんって、あ、友美子さんのほうがいいのかな。友美子さんは野菜ソムリエの資格持ってるんだって。すごいなぁ、なぁ、これから野菜を見立ててもらえよ。」
　麻由美は
　「あ、へぇ、そうなの？この間そんな事言ってなかったからびっくりしちゃった。」
　と何だか拍子抜けしたような気持ちになった。
　「そうなの、でもなかなか活躍の場が無くて。でも少しでもここで役立てられれば嬉しいかも。」
　友美子は良樹の顔を見ながら頬を赤らめた。
　「どんどん発揮してくださいよ、何なら早速うちの奴と一緒に今からでもスーパーに行って来たら？」
　麻由美は慌てて　
「あぁ、今日はもう野菜買って来ちゃったからまた次の機会にお願いするわ。」
　
　麻由美は何となくこの面接が面白くなかった。
　しかしこれで友美子に罪滅ぼしが出来るのならば、とぐっとこらえるのだった。