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何時間続いたのだろうか。
もう夕方だというのに鳴りやまない掃除の音に、男はため息をつく。
たしかに広い部屋ではあるが、どう考えてもこんなに時間はかからないと思うのだが。
すると、突如として音が止んだ。
終わったのだろうかと立ち上がってドアを開いた。
「……!!」
珍しく、男の顔に表情が浮かんだ。
最初に男が来たときよりもはるかに整えられて磨かれた部屋。
歩いて見回すと壊れていたものはすっかりなくなり、または直され、家具もきちんと並べられ、床も磨かれていた。
驚いて見つめていると、玄関から少女が出てきた。
達成感に満ち溢れた顔で男を見て、
「どうです?」
尋ねた。
「…ああ。」
短く返した。
…ああそうか。
こんな場所だったんだな。自分が今いる場所は。