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食事を口にしながら、ぼんやりと考えた。
あの人は、あんなにも痩せて、顔色も悪いのに、きっと死にたいのに、死ねないんだ。あの人が死にたい理由ってなんだろう。
少女には、よくわからなかった。
少女にとって、世界は未知だ。
少女が知っている世界の少ない情報には、善悪も、美しさも何もない。何もないから、少女には生きる理由がない。それは死についても同じことだから、少女は自分から死にたいとも思わない。
彼が望む「死」とは。
そこに救いはあるのだろうか。
「…まぁいっか。」
呟いて、立ち上がった。
食事のトレイを邪魔じゃない場所にどかして、気合いを入れた。
とりあえず今はこの部屋をなんとかしよう。