「俺ね、俺ね」

嬉しそうな顔で彼が私に話しかけて来た。
今も後悔でいっぱいだよ―……
まだ。
4歳についた恋の嘘は、あまりに辛すぎる。

「何?
嬉しい事あったの?」

砂のお城作りに手を止めて私は彼の方に目をやった。
頬を少し、赤く染めていたよね…?

「嬉しいのかなぁ?

俺、『好きな子』が出来たんだよ!!」



―…好きな子。

その時の自分は、心の中が痛んだ事に気付けなかった。

いや、

たぶん、気付かないフリをしてたんだろう。


だって気付いたとしても、どうにも出来ない。