「大西君?

ハイジって―……」


キョトンとした顔は男を惑わせるつーか。
ま、葉山は顔も良けりゃ性格もいいからな。
ちょっと真面目なのが嫌だって声も聞くけど―…ま。
俺は七星派だから。


「また、

七星が変なの付けただけだから気にすんな?

で、

どうしたんだ?
忘れ物とかしたか?」


今まで聞いた事のないような甘い声が廊下から響いて来る。


横目を見ると七星が廊下を見つめている。



そんなに、いい?



そんなに、



『海路』


がいいのか……?