「ハイジっ!」

今日も彼女の明るい声が教室内に響き、

「ハイジじゃねーよ。

海路だ、俺は!」

と叫ぶのは、
俺の大事な友達でもあり、

七星の想い人でもあり、

俺の恋敵だ。



「ハイジー

呼び出しだよ?」

クラスの奴までハイジ呼ばわりだよ―……

「なっ!!!!

お前等まで真似すんじゃねーよなっ!」


そう言って廊下に出ようとすると、ドアから茶色のセミロングの髪をなびかせた…彼の彼女。

『葉山美乙』


が立っていた。