「撫でなくていい…」

「そ?

だって泣きそうだよ」


悟はいつもこうやって私を助けてくれる。
強がりな私をすぐに気付いてくれるのに…なんで私は『海路』がいいんだろう?



「泣かないし……

早く教室戻って次の準備すんぞっ!!!」

頭を撫でる手を振り払い、私は立ち上がった。
その瞬間……


後ろから、



「おーいたいた。」


海路の声に振り返ると隣には―……やっぱり、葉山美乙。


わかってる、


わかってる癖に、




この気持ちは―…どこから来て、



どこへ行くの??