「俺が付けたヤツ?」

「ち、違います」


嘘つくの下手くそだな…
嘘を見抜くのは上手いのに…


「見せて?」

「え…」

「見せて」

「うっ…はい」


躊躇しながら、差し出された右手

血が出た形跡はないけど…皮が少し剥けていた


「痛い?」

「………少しだけ」


一瞬、"痛くない"って嘘を言うかと思った

でも、俺の目を見て嘘は通じないと思ったんだろうな


「そっか」


俺は、そう言いながらクロの右手に唇を近づける


「あっ…あの!優さん?!な、ななな何を?!って、ひゃあっ!!」


予想外の俺の行動に驚いているクロを無視して、俺はクロの傷口に舌を這わせた