「あ…ごめんなさい…余計なお世話ですよね…」


俺の無言を勝手に解釈したクロは謝ってきた


「いや…謝んなきゃいけないのは俺でしょ?」

「え?」


クロに向き合いながら言うと、クロは不思議そうな顔で見てきた


「仕事が上手くいかないのを…クロに当たった。ごめん」


かなり強く掴んでしまった肩に手を乗せて、謝罪する


「ごめん。痛かったよね?乱暴に退かしたから…」


すると、クロはふるふると首を左右に振った


「大丈夫です。優さんは、もう平気ですか?」

「うん、平気。…クロのお陰で悩み解決出来そうだし」


クロのお陰で…
明日の撮影は完璧に終わらせる自信ができた

だって…
大切な人が居なくなる恐怖がどんなものなのかを、今…自分で経験したから