「放っとけないよ。」

真剣に見つめられて、私は目をそらしてしまった。
だって男の子に近くで見つめられるのは初めてなんだもん。

「なんで…?」

勇気を振り絞って聞いてみた。

「そんなの…」
「斗雅!帰ろうぜ!」

返事を聞く前に筑紫さんの友達?であろう人がやって来た。
タイミング悪い…
でも、私にとってはタイミングよかったかもしれない。
今ここで聞いてはいけない気がする。

「わかった、じゃあ亜輝は下駄箱で待ってて!」

亜輝(あき)って言うらしい。クラスが違うからわからなかった。

「奏崎、ごめん!また今度!今日はもう終わりにして解散!」

「お…お疲れ様です。」

筑紫さんは、素早く片付けて下駄箱へ急いだ。
さて、私も帰ろうかなっ……ん?何か忘れてるような?

あっ!!
ゆなと遊ぶ約束してた!
早く教室に戻らないと !!
私は、全力で教室に戻った。

「お待たせ…!」

「遅いよぉ〜!!でも委員の仕事ならしょうがないか。」

「ごめんね…」

ん?なんかゆながニヤニヤしてる…どうしたんだろ…
「じゃあ行きますか!」

ゆなにつられて、私はゆなの家についた。
ゆなの家はおおきい。お金持ちの家だ。

「入って入って!」

「お邪魔します。」