「美優ー?」




菜帆の声で目が覚める。





あ、そっか。


此処は学校。



あたしは寝ぼけてた。



「もぉー、美優爆睡だったよぉ」




昨日、あたしはおばあちゃんの居場所を確認できて部屋に戻った。




……それからの記憶がない。


気づいたら朝だったんだ。





「満足に寝れた?」



「夢見たぁー」

あたしは夢を見てたんだ。


「なんの夢?」


菜帆が興味津々に聞いてくる。



でも、教えてあげない♪



「秘密ぅー」


「えぇ!?いじわる美優…」










あたしは




ママの夢を見た。








一緒に買い物してたんだ。



あたしの恋の相談とかして、ママが笑顔で聞いてくれてるの…。



「美優はイイ女だから大丈夫よぉ」って。






実現しない、



夢。








ママは何処に居るの?



元気?





美優をなんで置いてっちゃったの?






美優、もう16歳になったよ?――――――