私は引き寄せられるように
彼のもとへ、落ちた。




「「わッ」」


2人の声が重なった。

みのりのバカ~…


顔なんて、見なくたってわかる。

この声

この香り

この温かさ...



「と、塔亜!?」

「おぉ、琥珀」

この甘い声で、女を惑わせるんだね。

塔亜に、両肩を支えてもらってる状態。

ドキドキ

ヤバイ。
心臓がもたない…!




「噂をすれば、なんとやらってネ♪」

みのりが楽しそうに声を弾ませる。
私で遊ぶなっ

「琥珀、どうした?どっか痛いの?」

いつまでも顔を上げない私を心配する彼。

恥ずかしくて、
顔みれないし!!

「琥珀、あのコト聞けばいいじゃん」

みのりさんの、小悪魔な囁きを
私は素直に受け入れるはずありませーん。

「噂って、あぁ」





「なんでもありまっせーーん!」

そう叫んで、一目散に学校の玄関へと走り出した。

みのりのアホ~バカ~
とか思いながら。


「あぁ!逃げたー」

そう言って、2人も私の後を追いかけてきた。