フワァっと風がせせらぐ中庭。

すごく気持ちいいのに
なぜか誰も来ない穴場。

そこに
私はつれられた。


「塔亜、話しって?」

彼は、一番大きい
葉桜を眺めていた。


……。



「琥珀は、あの転校生が好きなの?」

視線をゆっくりこちらに向ける。

その表情は
すごく魅力的で

あまりにも儚かった

気がした。


「…私の初恋の人なの、ハルは」

「じゃあ、好きだった。
そう、とらえてもいいの?」


ザァーっと風が
私たちを包み込んだ。


「え?塔亜、それって…」


──まるで、私のこと好きみたい…







「俺、琥珀が好き。

付き合ってください」





塔亜…