あたしは返ってきた学年末テストの結果を見て、立ち尽くした。


二年学年末テスト

84点/900点満点中

女子 92位/92人中
学年総合 179位/185人中


「雅っ! あんたどうするの!? 旬ちゃんと同じ高校に行けないわよ!?」

放心していたあたしに、追い討ちをかけるような母の怒声が聞こえてくる。

初めまして。

あたしは奥川 雅(おくがわみやび)

中学三年生……

そう、受験という牢獄に囚われた、哀れな少女……

ちなみに母は妙子(たえこ)、今は亡き父は雅彦(まさひこ)と申します……

そしてふざけた名前の国立王様高校(こくりつおうようこうこう)……

偏差値が80のとんでもない高校!

だけど、あたしの大好きな幼なじみの橋立 旬(はしだてしゅん)くんは何とその怪物高校に行ってしまったの……

こっからが聞くも涙、語るも涙の卒業前夜……



『旬くん……

二年後、あたしは何処の高校行ったらいいかなぁ……』

黒髪の美女(瞼は一重、でもそんなの気にしないZE☆)……雅は卒業パーティーの最中、さり気なく旬くんと二人きりになり、さり気なく聞いた。

旬くんは不安そうな彼女の両肩を掴むと、甘いマスクでさらりと言った。

『王様高校来てくれよ。

んでさ、俺が入る野球部のマネージャーやってくれよ。

その頃は俺はキャプテンだからな。

二人で甲子園行こうぜ。』

嗚呼……

何て素敵なプロポーズ!

彼の優しい香りのする茶髪が、月の光に照らされる。

微風に棚引く木々たちもさぞかし美しかろう……でもあたしの目にはもうあなたしか映らないっ

あたしは断固決意!

絶対…… 絶対あたしは王様高校に合格するわ!

でもね…… 二年の一学期の中間と期末の頃はまだやる気あったんだけどね。

アニメやマンガにゲームと同人誌。

二次創作サイト巡り。

初めての秋葉原とかもう、腐に染まった夏休みを送ったせいで、勉強意欲が一気に低下!

その結果、まあドンマイ!な女子最下位(((゜д゜;)))