「お前らの席とっとくのまじ苦労したからな!」
章太は冗談ぽく怒りながら、あたしたちの席に置かれていた荷物をどけた。
愛子は『はいはいありがと!』って章太を流して、章太の後ろにどかっと荷物を置いた。
あたしは凌の後ろの席のイスをひいた。
「さっきまあたしんちにいたんだもん」
「あーだから課題終わんないはずだよな」
「そうそ…ってちがうっての!」
軽く頭をたたくと、少し椅子をかたむけて『冗談』って笑って振り向く凌。
反則なくらいかっこいい。
って思うのは、きっとあたしだけじゃないよね?
少しだけ香る香水の匂いが、あたしの胸をもっと騒がしくさせた。
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