好き、なのかはまだよくわからない。


でも、“凌が最近モテる”とか“告白された”とかきくと、
胸がぎゅっと締め付けられる気がする。


愛子にゆったら『だからすきなの!』って額に皺をよせて返されて終わりだけどね。



―――――――




「ふう〜すーずしい♪」



愛子がハイテンションで予備校のドアを開けると、効きすぎなくらいのクーラーの風が肩を抜けた。


あたしの家と比べたらまさに天地の差。


「あ、後ろあいてるよ♪」

愛子が指した方に目を向けると、ちょうど一番後ろがふたつ。


「おーやっときたぁ!」


その前の席は、章太と凌だった。


章太は笑顔で手招きをする。






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