その時、他の友達から梨架が呼び出された。 「梨架ーちょっと来て――」 「はいはーい、んじゃちょっと行ってくんね」 「あ…」 行ってほしくなかったなぁと思いながら俯せようと下を向こうとしたとき、 「南とこんな本の話できると思ってなかったから、今すげー嬉しい。」 森川くんはニコッと微笑んで… 「読み終わったら返すな」 そう言って私の頭を軽く本で叩く。