手には一本の針 点滴をされていた それをボーッと見つめながら、何があったのかを思い出す 確か東さんの結婚式に乱入して… ぼろぼろになって… そして意識を失った… 少し期待した自分がいた だけど、きょろきょろと病室を見渡しても誰もいない それどころか、無人だ 少し期待した自分が恥ずかしくなった 意識を失う瞬間に聞いた声、見た人、感じた温もりが 爽だった気がしたから…