それは間違いなく朱莉の声だった
その声は扉の向こうから聞こえてきたから、きっと誰かに連れ去られている途中なのかもしれない
彼女は助けを呼んでいる
だけど、行くこともできないあたし
それに朱莉が叫んだことによって…
「女?
行くぞ!!」
と言ってあたしの目の前にいた男たち
周りを見渡せば、潤たちを袋叩きに合わせていた男たちまでもが、扉の方へと走って行った
また犠牲がでる…
すべてあたしの所為だ
関係ない潤たちを巻き込み…
朱莉に助けてもらえば…彼女はあたしの力がない所為で連れ去られるという…
最悪じゃないか…
どうしてあたしには人を救えない?
自問自答したところで答えが出るわけもなく…
只、悲しみが増える一方だった
朱莉「早くーーー!!」
朱莉の声が聞こえる
そこでフと考えるのを止める
今そんなことを考えたところでどうなる?
どうもならない
解決する方法を考えるべきなのに…