キッと扉付近を睨みつける
そんな時だった
「っあっ!!」
と言う声が聞こえた
特に大きい声ではなかったが、耳に入ってきたその声に嫌な予感がして、急いでその方向を見た
そこには…
脇腹を手で押さえ蹲っている潤の姿
銃で撃たれたのだろう
蓮香『潤っ!!!』
さっきは潤があたしの名前を叫んでいたのに、今はあたしが潤の名前を叫んでいる
そう、戦いの場なのだから何があってもおかしくはないのだ
一秒先に闇が広がっていてもおかしくはない状況…
潤、と名前を呼べば
彼は脇腹を手で押さえて苦しみながらもあたしに笑顔を向けてくれた
まるで、心配するな、とでも言いたげに
でも、本当に大丈夫だったら
そんなに苦しそうな顔をするわけないし
声も出せる筈