すると突然、ガシガシという音が聞こえた
何の音?と思い振り返れば潤が頭を思いっきりかいていた
その表情が何ともいえず、悲しそうで辛そうだったから思わず声をかけた
蓮香『どうし…』
潤「いい加減にしろよ!!」
あたしの声を遮り、突然怒鳴る潤
蓮香『え…?』
あたしは何が何だか分からず、戸惑うしかできない
潤のいつもの優しさを帯びた声じゃなくて
イライラしてて、いつもの何倍も低い声
蓮香『潤…?』
いつもあたしを見る目は穏やかで、優しくて…
だからこそ、長年一緒にいれた
あたしにはいつも優しくて、笑ってて、冗談を言っていることが多い潤が
こんなふうにいらつきを見せて、睨んでくるのは初めてだった