瞳が光の傍へ行く。

光が瞳を睨みながら押し殺した声で聞く。
「僕の足止めをしただろう」

「何のことかしら」

「美加の身体が崖から落ちる所を……。見た」

瞳が光の目を覗き込む。
「大丈夫?」

「おいおい、
よしてくれ。
大丈夫な訳ないだろう」

光、暫く何かを考えている。

「美加の身体はどうなったんだ」

「私には分からない」

「美加の魂は?」

「守さんの傍にはいないようだわ。
美加ちゃんのところにも。
多分、今は光の傍にいて、光を心配してる。
光、本当に大丈夫?」



「暫く引きずるだろうな。
でも大丈夫だ。
時期に立ち直る。
美加と話が出来るんだろ?
僕は自分の道を行く。
だから美加に、僕の事は心配しないでくれと伝えてくれ」