「ま、ちょっと普通じゃないだけなの」
普通じゃないってどういうことだ?
「それはあんたが知らなくていいことだよ」
一瞬見えた哀しげな表情に何も言えなくなる。
不良にも何か事情があるのかな?いや、事情があるから不良なのか?
……分かんないや。
「そういえば!」
伊予さんが思い付いたように声を挙げる。
「あんた見かけない顔だけど、誰なのよ」
「ああっ、僕は今日ここに転校してきたんです」
「転校生かぁ。んじゃ、これから職員室なわけ?」
「そうそう一旦職員室に……ってああぁぁぁ!」
カツアゲされるわナイフ突き付けられるわで、すっかり忘れてた……
職員室に行かなくちゃいけないんだった。