刺されるのだけは勘弁だっ!

僕が抵抗しようとしたその時、


「千円は渡さねー!!」



四人のうちの一人、大柄な男に腕を持たれ不良から引き離される。


「いてて……」


「おいお前、絶対捕まんなよ。いいな」


「あ、はい」


あ、もしやこれで刺される心配はなくなった?

よし、もう迷ってもいいからとりあえず校舎に入らなきゃ。
こんな場面、二度と味わいたくない。



「奏太(カナタ)、伊予(イヨ)!コイツを保護しとけ!!」


「はいはい、分かりました」

「命令口調はムカつくけど、まぁ金のためだしね~」




ん、あれ、おかしいな。


保護って?