早く私をどうにかして。


遠藤さんは私を抱き上げた。


お姫様抱っこされた私は寝室へと連れていかれた。


寝室の電気はついていて、ホテルライクなインテリアに目を奪われた。


グレーのウールカーペット敷きの床に、隅に置かれているシンプルモダンな白い陶器製の鉢植えの観葉植物は遠藤さんのセンスを感じさせる。


部屋の主役である大きなベッドのフレームは黒で布団は薄茶色のシルクだった。


全体的にクオリティの高い寝室だ。


ますます遠藤さんに好意を抱いた。


もう、私をめちゃくちゃにして。


壊れ物を扱うかのように大事にそっと私を柔らかいベッドの上に座らせてくれた。


遠藤さんは隣に腰を下ろす。


ベッドの端に並んで座った。


そして、遠藤さんが優しく子供をあやすように私の頭を撫でる。


それから、ゆっくりと私の髪を細い指で梳く。


遠藤さんは悠々としている。


遠藤さんには優のような焦りは微塵も感じられない。


すぐにキスされて胸を揉まれると思った。


これが大人の男性なんだ。


掛け布団をめくった遠藤さんは白いシーツの上に座り直した。