「そうです。よく、わかりましたね」


「電話くれるって言ってたから。それより、どうだったの?」


私は息を吐いてから、続けざまに一方的に話した。


「今日は、優に話したんです。そうしたら、優が泣き出しちゃって。もう別れられないかもって思ってたら、優が私のために別れてくれるって言ってくれました。すっごく感じ良かったですよ。改めて、イイ奴だったんだって思い知らされて幸せになってほしいなあ、なんて思いました。だから、結局、別れたんですよね」


「そう。よかったじゃない」


「はい」


「これで、心置きなく新しい恋愛ができるね」


「はい」


新しい恋愛をする相手は、遠藤さんしか考えられない。


なんとしても、遠藤さんの気持ちを自分の方に向けたい。


なんとかしないと、関係がこれで終わる。


そうだ。


「また……会ってほしいです……」


小声でためらうように、心の声をそのまま口にした。


「また?」


遠藤さんは少し笑った様子だ。


「はい。いっぱい話を聞いてほしいから。相談したいし」


すがるように遠藤さんを繋ぎとめようとした。


遠藤さんは、言葉に詰まった。


私とはこれ以上、会いたくないのかもしれない。