「まだ……」


その問いには、答えることができた。


でも、目は合わせられない。


心の中は不安に襲われていた。


「なんか俺たち、関係がおかしくなってる。1年の時は、もっといっぱい会えたのに。クラス変わったせいかなあ? どう思う?」


「わからない」


「お前、最近冷たくない? メールの返信遅いし、電話出ないし、家に遊びに行ってもいないし、どうなってんの?」


「別に」


「『別に』ってなんだよ!? 俺のこと、避けてるだろ? 全然ヤらせてくれなくなったし、おかしいよ」


優が私を問い詰める。


ますます、目を合わせられない。


こんな時、どうしたらいいんだろう?


逃げたくても、逃げられない。


誰か助けて!


「なんで俺の方、見ないんだよ? ちゃんと俺の方、見ろよ。目ぇそらすなよ」


優はぐいっと私の肩を掴むと、自分の方に無理にでも向けさせようとした。


そらしたくて、そらしてるんじゃない。


私には、こうすることしかできないんだ。


恐くて、優の目を見ることができない。


「俺の顔、見ろよ!」