雪解けの桜の花が咲くにはまだ早すぎる季節だったので肌寒い。
「くしゃん!」
パーティドレスにボレロを羽織っただけの格好なので寒くて、くしゃみをした。
「大丈夫?」
優しい声がしたかと思うと、そっと私の肩に誰かがスーツの上着をかけてくれた。
振り向くと優がいた。
「寒いよね。天気はいいけど」
そう言うと、優は名札を付けたスタッフの女性のところへ窓を閉めるよう頼みに行った。
窓の外は明るい緑色の芝生が広がっていた。
「おめでとう!」
「花音、今日はとっても素敵!」
「本当。パリコレのモデルって感じ」
後ろで花音が女友達に囲まれて祝福されていた。
花音は幸せそうな顔をしていた。
大人の女性のようだった。
「あ。薫もこっちおいでよ」
私に気付いて花音が声をかけてくれた。
私が近づくと女友達の一人が大声でこう言った。
「聞いてよ。薫ったら理系クラス選択したんだよ。三年になったら同じクラスになろうって約束してたのに。裏切り者!」
「いいじゃない、別に。学校楽しそうでいいなあ。私も行きたい」
「くしゃん!」
パーティドレスにボレロを羽織っただけの格好なので寒くて、くしゃみをした。
「大丈夫?」
優しい声がしたかと思うと、そっと私の肩に誰かがスーツの上着をかけてくれた。
振り向くと優がいた。
「寒いよね。天気はいいけど」
そう言うと、優は名札を付けたスタッフの女性のところへ窓を閉めるよう頼みに行った。
窓の外は明るい緑色の芝生が広がっていた。
「おめでとう!」
「花音、今日はとっても素敵!」
「本当。パリコレのモデルって感じ」
後ろで花音が女友達に囲まれて祝福されていた。
花音は幸せそうな顔をしていた。
大人の女性のようだった。
「あ。薫もこっちおいでよ」
私に気付いて花音が声をかけてくれた。
私が近づくと女友達の一人が大声でこう言った。
「聞いてよ。薫ったら理系クラス選択したんだよ。三年になったら同じクラスになろうって約束してたのに。裏切り者!」
「いいじゃない、別に。学校楽しそうでいいなあ。私も行きたい」