「なんで?」


「どうしても嫌」


「俺は絶対この名前がいい」


「私は嫌」


「じゃあ、何がいいんだよ」


「わからない。だけど、別のがいい」


「『あやか』でいいよ。すげー好き。俺はね」


「何がいいの? 勝手に決めないで」


私は優と押し問答になった。


やっぱり優とは結婚できない。


優とは気が合わない。


きっと、話し合えばわかってくれるだろう。


でも、話し合ってまで繋ぎ止めておきたい相手ではない。


子供は一人で育てよう。


優は誠実でいい人だけれど私の子供の父親になるべき人ではない。


断ろう。


そう思った。