それよりも、妊娠している事実が恐くて居ても立っても居られなかった。


また、吐き気が込み上げてきた。


軽い頭痛もする。


こめかみの辺りを手で押さえた。


ゆっくりと目を瞑る。


「どうしたの?」


優が私を心配する。


「気分でも悪いの?」


花音に尋ねられても口を開くと吐きそうで答えられなかった。


じっと目を瞑ったままでいると、片方の目から自然と涙が零れ落ちた。


そして、私の息と共にこんな言葉が漏れた。


「私も妊娠してる」


目を開いた時、二人とも愕然としていた。


私はただ黙って二人を見つめることしかできなかった。


「嘘だろ!? 遠藤さんの!?」


優はかなり興奮した。


「いつ知ったの?」


「別れてから」


「本人はこのこと知ってるの?」


「知らないよ。まだ話してない」