私がこくりと頷く。


首筋にキスされる。


まるで飢えていたかのような激しいキスだった。


何度もキスされているうちに鳥肌が立った。


違う。


彼じゃない。


私が求めている彼じゃない。


身体が拒否反応を起こしている。


それでも、唇と唇を合わせた。


割って舌を入れてきた。


違う。


この舌じゃない。


彼の舌はもっと優しくて柔らかくて、こんなに強引じゃなかった。


もっと気持ちよかった。


カツンと優の歯が私の歯にあたった瞬間、制御不能になった。


「嫌!」


優を突き放す。


涙がポロポロ溢れ出てくる。


死ぬほど好き。


葵のことが死ぬほど大好き。


忘れることなんてできない。