きっと、優がくずかごに投げ入れ損ねたんだろう。


手を伸ばしてティッシュを拾おうとするが、なかなか届かない。


しょうがないと諦めて、シーツに身を包んだままベッドから起きて床に足をつけた。


ベッドのギリギリ端に座って、ひょいと腰を浮かせて腕を伸ばす。


あと少しで届くという寸でのところで丸まったティッシュは、優によって拾われた。


ちょうど、優と私の間にそれはあった。


優は「はい」と言って穏やかに笑って私にそれを渡すと、テレビに夢中なのか顔を横に向けてしまった。


私はベッドに腰を沈めて枕の横あたりの床に置いてある、くずかごにそれを投げ入れた。


そうして、そろそろ服を着ようとベッドの足元付近にあるはずの下着を探した。


ベッド上で四つん這いになる。


すぐにショーツは見つかったものの、ブラが見つからない。


どこにあるのか半ば焦りながら捜索を続けた。


でも、どこにも見つからない。


「そのポーズ、わざと?」


振り向くと、テレビに夢中だったはずの優が座ったまま顔をこちらに向けて聞いてきた。


その表情は、爽やかな笑顔と違って下品でだらしない、にやけた表情だった。


なんでにやけ顔なのか不思議に思った。


でも、それどころではない私は気にせずブラを探すことにした。


「そそるー」


その優の冷やかすように言った言葉でハッと気付いた。